『J-KIDS大賞2005小学校ホームページ・サミット』リポート

分科会2-A 学校ホームページの技術ノウハウについて


当日の様子最近の技術傾向やホームページ運用に関わる技術的なトピックについて議論しました。

「やりたいことはたくさんあるけれど、技術面に弱いので、やりたいことができない。勉強すればいいのだろうけれど、日々の仕事に追われてなかなかできない。他の先生方や子どもたちにもつくってもらいたいけれど、技術的なサポートがし切れない」

分科会に出席された、ある先生のお話です。【J-KIDS通信】の読者の中にも、共感される方がいらっしゃるかと思います。
そんな中、ホームページのひな形を用意することで、子どもたちによるホームページ作成を実現させている小学校の先生から、次のようなお話がありました。

「学年が下がれば下がるほど、子どもは文章を作成するのに時間がかかるもの。
そこで、撮った写真をそのまま取り入れて、簡単な説明を入れるだけで情報発信できるしくみを考えた。
まず、ひな形をひとつ用意し、画像の部分にはデジカメが自動連番で付けていくファイル名を最初から入力しておく。そうすれば、撮った画像を決められたフォルダに格納するだけで、勝手に画像が埋め込まれていくので、あとは文章を入力するだけでホームページが出来上がる。
レイアウトや表現に工夫を凝らしたい子どもは、ひな形にどんどん手を加えていく。その中で出てきたアイディアやノウハウは、掲示板上でみんなに公開、共有できるようにしている。
さらに、情報モラルへの配慮が当然必要になるため、子どもたちが自ら作成内容をチェックできるように学年に応じたマニュアルを用意している」

画期的なアイディアに、他の参加者から思わず感嘆の声が上がります。
「ブログでつくれば簡単じゃないの?」と思う方もいらっしゃることでしょう。
実は、学校ホームページは行政の管理サーバ上で運営されていることが多く、セキュリティの観点から、ブログ・掲示板等の導入が制限されているケースが少なくないのです。
この他にも、技術面におけるさまざまな工夫が飛び出しました。

「障害の有無・年齢・パソコンスキル等の違いに関係なく、誰もがホームページを閲覧・利用できるように、『アクセシビリティ』を意識している。学校の人事交流で全盲の子が来訪したとき、ホームページの担当者として何ができるだろう?、と考えたことがきっかけになった」
「少しでも早く更新するために、携帯から学校宛で画像を送信する。ビデオカメラの機能を使い、撮影した動画をそのままホームページに掲載する。常にサーバ容量との闘いだが、その分、保護者からの反響は大きい」
「手間をかけずに情報公開するために、ソフトの機能を利用して、先生方が作成した各種資料や子どもたちが授業で作成したファイルを、そのままHTML形式で保存。ホームページに転載している」

見てくれる人たちの期待に応えるために。学校全体を巻き込むために。できるだけ気軽にホームページを作成、更新し続けていくために。
先生方のこうした試行錯誤によって、ホームページが運営されていることを、改めて実感しました。

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主催: J-KIDS大賞実行委員会