『J-KIDS大賞2005小学校ホームページ・サミット』リポート

講演3「小学校ホームページ作りの現場から」
松本 博幸 氏(千葉県印西市立大森小学校 教諭)



当日の様子 大森小学校は、J-KIDS大賞で第1回大賞、第2回優勝、と見事V2に輝き、第3回目の今年も千葉県代表に選出されている、いわば小学校ホームページ界の強豪校。その取り組み事例をご紹介いただけるということで、先生方だけでなく事務局も興味津々でした。

「大森小学校では、垂直型ではなく水平型の組織で、ホームページを運営しています」と松本先生。リーダーがメンバーを牽引するのではなく、メンバーの専門性を活かしながら運営する、というスタイルです。
「となると、まずは先生たちの間でどれだけ共通理解が図られているか、どれだけ納得感が得られているか、が重要なポイントになってきます。普段から良い人間関係を培うこと、より太いパイプを築こうとする気持ちが大切です」
その言葉に「職員室の人間関係は、そのままホームページから伝わってしまう」という先程の豊福先生のお話が、脳裏をよぎります。

「学校ホームページは、学習成果の発表やデータベースとして活用するだけでなく、例えば、人への思いやり、話し合い、モラルやルールの遵守、判断や区別、といった子どもの成長に関わる教育活動の一環として活用することが可能です」と松本先生はおっしゃいます。
計画委員会や高学年の児童が中心になって運営・作成している「こどもページ」は、子どもたち自身が、自分たちのやりたいことや必要だと思われる情報を考え、実現に向けての具体的な方法や必要なルールを話し合いで決めていくそうです。
また、実際に記事を作成する際は、必ず複数人で作成するよう指導しているとのこと。これによって、子どもたちが互いに相談したり、助け合ったりする人間関係を培うだけでなく、読み手の立場に立った記事作りがなされているかのチェック機能を果たしているそうです。
子どもたちの中では「自分たちのホームページ」という意識が非常に高いこともあり、「責任感と行動力、さまざまな工夫を以ってホームページ作成に取り組む子どもたちの姿には、我々教師の方が驚かされることも少なくありません」とにこやかに話される松本先生。

「子どもたちにとってホームページは魅力的なもの。教室の中だけでは得られない経験や感動の機会を与えるために、日頃の学級運営の中でホームページを活用できないか、と考え、実践しています」
という松本先生のお話に、聴講されている先生方も思わず前傾姿勢になっていたのが印象的でした。

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主催: J-KIDS大賞実行委員会