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県代表選考ボランティア座談会 (2)

images_座談会 (2)

ボランティア代表:倉重恵造 石井薫 村上隆三 塚田正治 岸正之
コメンテーター:豊福晋平
(国際大学グローバルコミュニケーションセンター講師)
司会:藤永章(J-KIDS大賞実行委員会事務局)




選考作業で大変だったこと、感じたこと

司会:ボランティアの皆さんには、一次選考ではお一人30校目標、2次選考はまるごとひとつの県を担当という選考作業を、たった1ヶ月半の間に、それも平日はお仕事がありますから、夜とか土日の時間を使ってやっていただいています。結果として、大変なご苦労をおかけしたのではないかと思いますが、是非その間の苦労話、或いは評定の中で感じられた事、考えられた事を聞かせていただけますか?

倉重:私は、結局は平日真夜中の時間帯と、土日も昼間は色々ありますんでやっぱり土日の夜中にやっていました。日頃はスポーツニュースなどテレビを見ている時間帯を選考に振り分けてやりました。そうすると、夜中にはサーバーを落としている学校があるようで、何回アクセスしても繋がらないということがありまして…(笑)。それが本当に最後の土壇場でようやく繋がって評定できたっていう学校が1校ありました。慣れるまでは選考にかなり時間がかかりましたが、慣れれば思ったよりも早く選考ができましたね。私の家は電話局から遠いんで、1.5メガのADSLで、実速はその半分くらいしか出ないんですけど、そんなスピードでも、だいたいストレスなく選考できました。唯一厄介だったのが、PDFファイルです。以外とあれを貼りつけてある学校が多いですね。ある小学校は、学校便りとか、学年便りとか、保健室便りをほとんどPDFファイルで貼りつけてあって、もうそれだけで出来あがってるようなホームページなんですね(笑)。開くたびにファイルをダウンロードする訳ですが、1校に1時間くらいかかったりすることもありました。
それから2次選考は、一次選考で下位になった小学校を集中的に見ました。たくさんの人で評定をしているので仕方ないのですが、どうしても1次評定の点に甘辛があります。そこで、とにかく下位から片っ端に見て、一生懸命優れたホームページの掘り起こしに努めました。

image_座談会の様子石井:初めにターゲットにしたのは、自分の住んでいる所の小学校で、土日は子どもを横に置いて、子どもが興味を持つ所っていうのを見ていました。文字が多いホームページだと子どもは興味を無くして逃げていく。でも、子どもの作品とか子どもの作文とかが出ているホームページだと、自分の事のように一緒になって見ていました。
あと、日本人学校も評定したんですけど、こちらの方は夫が隣に来て何て書いてあるんだと聞かれて、結局は横で通訳をさせられるという状況になりまして、非常に時間がかかりました。私は母親の立場で学校の中の様子を見るのですが、夫は父親の立場として社会性の角度から見ていました。

司会:ご主人はイギリスの方でしたね。

石井:はい。

司会:通訳しながら評定するのは考えるだけで大変そうです(笑)。

石井:なんかすごく難しいんです。例えば総合学習。一体総合学習って何なんだって所から始まって、話がどんどんずれていって。自分も理解するのが難しかったんですけど、周りに理解してもらうのはもっと難しかったです(笑)。

司会:ありがとうございます。村上さん、如何ですか?

村上:1次選考は、初めはどこで何を見ればいいのか分からないので、1校に30分から1時間かかりましたが、慣れてくるとどこを見ればいいのかっていうのが分かって来ました。でも、1日2日やらないでいると忘れちゃうので、一気に集中してっていう風にってやっていると、やめ時も中々見つからず、土日の夜、金曜日の夜を中心にやっていましたね。
2次選考の方は逆に見ていてすごく楽しいものが多くて、評定以外の興味で寄り道したりすることが多かったですね。評定自体はすごく楽しくやりました。

司会:塚田さんは、1次評定の最多評定者でいらっしゃいまして99校評定して頂きました。事務局は大変助かりましたが、99校もやられるとかなり大変だったと思うんですが。

image_座談会の様子塚田:あの、最初はそこまでやるつもりは全くなかったんですけれども、まあどうせやるんだったら全国制覇しようかな、ということで、北から各県1校、比較的更新頻度の高い学校、トップページが面白い学校を選んでやりました。残念ながら、後半は他のボランティアの選考が進み、全国制覇は出来ませんでしたが。最初はチェック項目ごとにホームページと比べながらやっていたんですけれども、これじゃあとてもじゃないけど時間がかかり過ぎていかんわということで、全部見終わった後で全部チェックというようなやり方に変えました。こうすると割と短時間でチェックが出来ましたね。『なんで99までやったの、99で止めたの。』というのは色んな方から聞かれたんです(笑)。多少はちょっとご協力をというような意味で、未評定の学校が多く残っていた県が何県かありましたので、そこをやっているうちに結果的に99までいってしまいました。さすがに3桁いくのはちょっと。。。と思い、そこで止めさせて頂きました。
全体の傾向としては、画像を多く使っている学校は、写真をいっぱい貼りつけるだけで、情報としては偏っているものが多いかなぁというような印象は受けました。評定の結果で全体のバランスが取れている学校は、更新頻度が高く、いろんな意味で機能も充実しているというような風に傾向としてはかなりはっきり分かれているというような印象は受けました。

岸:私も倉重さん同様に、家にあまりいないものですから…、遊んでいる訳じゃないんですけど…(笑)。選考する時間が無くてどうしようかと思いまして。結局自宅のノートパソコンを持ち歩くしかないと思い、新たに無線通信用カードを買ってしまいました。こうして、このボランティアを通じて、自分のIT化が進みました(笑)。
自分の出身地の学校にはホームページが無く、自分の父の出身小学校を探しました。田舎でも行くかということで。そうしたら、ありました。祖父母、祖祖父母がずっと通っていた学校のホームページでありまして。その学校の沿革のホームページを見ると感無量なんですね。『ここかぁ。僕のルーツがここなのだな。』みたいな感じで大変楽しく選考出来ました。
2次選考は、いろんなボランティアが一次選考していらっしゃるから、評定にバラつきがあるんです。先程2次選考はお一人の目で、同じ目線でやるというのは、正解だと思います。その代わり、結構時間かかりましたけど。私が担当した県は、自分が行ったことのないところで、地域の独自性があって、自分で旅をしている様な気分になりました。なんか最後の方はもうコンテストのことを忘れて自分の趣味の範囲でやってたような気がしますね。

司会:次の家族旅行先がきまりましたね(笑)。

岸:是非行って来たいと思います(笑)。

司会:評定の特徴のひとつが、インターネット上に「いつでも、どこでも」評定できるサイトを新たに作ったことです。これは国際大学グローコムに全面的にご協力いただいて構築しました。「いつでも、どこでも」評定が出来ると言うか、評定をさせてしまうというか、ある意味過酷なシステムなんですが。

豊福:6年前ですが、実は今回のコンテストをやる前に、似た様な事をやった事があるんですね。その時はまだ学校のページは600くらいしかなくて、600だから1人200校くらいづつ見ればいいかと、3人でやったんですよ。大変でした(笑)。その時は紙でやったんですが、データのとりまとめが非常に面倒で、次は、何が何でも自動化しようと固く思っておりました。それで、この企画のお話を頂いた時に、『評定どうするんでしょうか。』とお聞きすると、『紙で。。』と事務局の方から言われまして、『あー、来たぞ。』とか思ったんですね(笑)。で、『ボランティア500人で1万2千校ですよ。集計どうするんですか、事務局がパンクしますよ。』と申し上げまして、『インターネットのコンテストは、選考もインターネットでやりましょう!』って自ら手を挙げました。こうして、評定用サイトを構築したおかげで、事務局のスタッフも我々も、評定の実作業に時間を割くことが出来て、良かったなぁと思っております。
評価項目については、どうしてこんなに項目多くしちゃったかなぁって思って後悔をする一方、項目が少な過ぎるとホームページの個性を計るのが難しくなるし。評価項目を減らさないと評定が大変だし、増やさないと正しい評価ができない。そのジレンマがあります。ボランティアの皆さんにはご苦労をおかけしました。
自分でも評定をたくさんする中で、反省点もいくつかありましたので、来年はもう少し洗練された形にしたいと思っています。

司会:評定の項目自体は固定のものではなく、2年3年続けていくにあたって、毎年見直そうと思っています。時代によって要求される項目も、変わってくるんじゃないかと思っておりますので、今年の経験を来年に活かして、やっていきたいと思います。評価項目に対するご意見も、広く多くの方々からいただきたいと考えています。


各県の特徴

司会:次に、皆さんにご担当頂いた都道府県の小学校ホームページについて、その特色などお話ください。

image_座談会の様子倉重:私が担当した県は、首都圏だったのですが、これは本当に苦労しました。何を苦労したかっていうと、『これだ!』っていう様な飛び抜けたサイトが無いんです。非常に大人しい県でした。良くも悪くも、なんとなく東京の方を向いているような、地元密着型があまりないような感じがしました。コンテンツとしては豊富っていう所が、何校かあるにはあったんですが。
それから、ある市では、市内の小学校ホームページが、どの学校も全く皆同じというところがありました。これは教育委員会から決められているのかな。それも2年前か、3年前に作ったホームページがそのまま残っていましたね。それから、ある市では全くホームページが無かったですね。市ごと無いっていうのがあったんです。
また、県内でも、東京から離れた所の方が、どちらかと言うと、内容としては、平均点が高かったような気がしています。

司会:市によって全部無いとか、市ごとに全く同じというのは、他の県でも散見されましたね。続いて石井さん、お願いします。

石井:私は、日本人学校を担当しました。主人がイギリス人なのですが、現地に行って現地校に入るっていうのがイギリスの精神なので、日本人学校は興味津々で見ていました。代表校のチューリッヒもロンドンもスマートでした。
楽しかったのは、バンドンとかトロントとかそういう所が、本当に地域密着していて、子どもの声が聞こえそうなホームページでした。アップデートもちゃんとされていました。東アジアはSARSがあったので、SARSに関するattentionが多かったですね。中国はほとんどそれに、それになってしまった。
それからブラジルのマナオス。アップデートがあんまり頻繁じゃなかったんですけど、前任の校長先生のサイトに繋がっているとか、そうした方からのお便りとかがありました。
サウジアラビア関係も色々あって、ジェッダとかドバイでは、先生のホームページに飛んでいく所があったので、お手紙を子ども達から先生に書けるっていいなあ、ていうふうに親の立場としては思ったりして、読んでいました。

塚田:私が担当した東北の県は、その内の3分の1が特定の市に偏っていました。それ以外はそれぞれの市町村から、1校ずつポツポツと出ている程度でした。半数以上はかなりきちんと出来ているなという印象はありましたが、トップページしかないような所も何校かありました。
印象的なのは、敷地が1万坪とか6千坪っていう小学校があって、こんな環境で子どもが育ったら素晴らしいなぁと思いました。全国の小学校のホームページを見ていると、自然環境が恵まれているなというのを、非常に印象深く見させて頂きました。そういう環境で子どもが育っていくっていうのは、幸せなことだなぁという風に思っています。地方なりの悩みとか抱えてらっしゃる問題とかもあるとは思うんですけれども、東京の学校は数はたくさんありますけど、自然に触れる環境をもっとやっぱり考えていかないといけない。都心で育つ子ども達が将来どんな大人になるのかなぁと、ちょっと不安がよぎりました。

司会:東京の教育環境まで思いを巡らされて、塚田さんにとっては、ボランティアのご経験は選考作業以上の意味があった訳ですね。続きまして岸さん、お願いします。

岸:私の担当した四国の県は、ホームページを立ち上げている小学校が、本当に散らばっています。県庁所在地だけでなくて、山間の小さな学校までホームページを立ち上げていて、非常に特色ある地域の紹介をしているホームページが大変多いんですね。地域の名産品が紹介してあったり、私が東京から見ても、結構楽しいホームページが多かったように思います。
特色としては、災害警報時の登校についてというのがトップページにある学校が多かったですね。『これ何だろう?』と見ると暴風雨に関するものなんですね。暴風雨警報時の登校方法について、きめ細かく書いてあります。例えば7時までに警報が解除されない場合は休校とか。

司会:評定項目の中に、「保護者向けの情報として緊急時の対処方法・災害対策マニュアルがあるか」という項目がありまして、事務局の想定よりは、掲載されているホームページが多かったように思います。
全体的に見て、私も、首都圏とか、そういう都会の小学校よりは、地方の小学校の方が一生懸命情報発信していると感じました。ある離島の小学校では、小学生が2人しかいない。それもその小学生が入学するまでは10年ぐらい休校していて、2人子どもができたので開校して、恐らく6年後また閉校するんでしょう。そこはたった2人の小学生のために、大変熱心に情報の発信をやっているサイトで、アクセスも小学校のホームページの中では高いほうでしたね。生徒数が少ないからこそ、インターネットを利用して子供たちの姿をもっと多くの人に知って欲しいという気持ちが強いのかなあ、と思いました。そうした意味では、生徒数が少ない小学校にとって、情報拠点としてのホームページの果す役割は大きいと思います。倉重さん、塚田さんを始めとして、地方と都会のホームページの差を実感されたボランティアは多かったです。

image_座談会の様子豊福:皆さんかなり的確に、実態を捉えていらっしゃると思います。1つは自治体でまとめて学校ホームページをドカーンと作っちゃうケースが、結構あるんですね。そうやって一斉に作っちゃうと、学校側の意図とは関係なく一斉公開されてしまうので、レイアウトが全部同じだったりとか、中身がなくて空だったりとか、更新が止まっていて寂しかったりという所があります。大都市がこういうページを数百も作ると、都道府県別の統計でも、数は多いが平均は低いという結果が出てしまいます。逆に、自治体が一斉に作っていないところは、数は少なくても、やる気のあるサイトが互いに切磋琢磨し合ってレベルを高めてゆくように見えます。
非常に特徴的なのは、在外日本人学校のパターンですが、他の県と比べますと、明らかに基本・機能・広報の点数が高くなっています。これは、日本の学校から交流のお誘いがたくさん来るらしいのです。現地校だと双方の翻訳の手間があって大変なんですけど、日本人学校の場合はお互い日本語でやりとりが簡単ですよね。そういう経験がホームページでも、身の回りのことを知ってもらいたい、という高い動機付けに繋がっているのではないでしょうか。
次に、地方と都会の話ですが、大都市圏よりも田舎の学校の方が面白いホームページが多い。僕もそう実感しています。むかし、北海道で教員をやっている同期が指摘していたことですが、最初インターネットは主に首都圏の情報を得るための手段だと思っていたけれども、実はそうではなくて、むしろ、自分達の身の回りから発信出来る事がいっぱいあるじゃないかって気が付いたと言うんです。田舎の小さな学校だと、お互いに幼い頃からずっと一緒で、1学年数人の学級が変わらず上がってくという、小さなコミュニティなんです。インターネットを通じてコミュニティの外にも同世代の友達を作ることができると、テレビや雑誌では扱わないような、そんな自分達の当たり前の出来事を相手には驚きや感想をもって知ってもらえることが嬉しいということでした。
大きな学校では、授業も行事も大人数でみんな一緒なので、自分達の身の回りの事はありふれていて価値がないと思ってしまいがちですが、小さな学校では、子供たちや先生それぞれの見方や思いが大切にされていて、それらがホームページにもよくアピールされていますね。そういう意味で、小規模な学校にとっての学校ホームページは大きなアドバンテージになると思います。

----- 座談会 (2) おわり/(3)につづく -----


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主催: J-KIDS大賞実行委員会