第10回全日本小学校ホームぺージ大賞 みんなの毎日は宝物! J-KIDS大賞2012
受賞校インタビュー

J-KIDS大賞 2004年度 受賞校インタビュー (1) 増富小学校

準優勝校山梨県 北杜市立増富小学校

増富小学校:一之宮和英校長  津金眞希子講師
インタビュアー:選考委員 豊福晋平

北杜市立増富小学校は、瑞牆山(みずがきやま)や金峰山(きんぷうさん)を臨む山間地域にあり豊かな自然に囲まれています。増富ラジウム温泉峡が有名な観光地でもあり、また学校の目の前にはみずがき湖があります。増富小学校は、過疎による児童数の減少に伴い、昭和63年度に須玉町立北小学校と東北小学校が統合して誕生しました。現在、児童数は8人、教職員数10人の山梨県で一番小さい小学校です。小学校のすぐ横に学校林があり、先生・保護者の方が作られた遊具で、子どもたちは元気いっぱい仲良く、まるで兄弟のように遊んでいます。
地域ぐるみで子どもを育てている・・・そんな小学校です。

まず地域、学校の特色や良いところをお教えください。

一之宮校長何といっても本校は生徒数8名という小規模校ですので、一言で言えば、その良さが特色ということですね。子ども一人、多くとも三人に担任が一人と言うことで、本当に木目細かい指導ができます。担任の先生と子どもたちの人間関係も、ある意味では親子みたいな密着度で、授業をはじめいろいろな接触ができます。

ホームページを作られたきっかけは?また、どういう思いで立ち上げられましたか?

津金さん先生と児童が一緒になって教育活動やっているところを、とにかく多くの人にみてもらいたいという気持ちで、それがきっかけです。小さな学校でも大きな学校に勝るとも劣らない活動をしているんだということを、とにかくたくさんの人に見ていただきたいという思いがありました。PC設備の環境が良くなったことも、大きなきっかけだった思います。

ネットワーク環境はいかがですか?

津金さん小学校までは市の光ファイバーがきています。周辺の家庭は、ADSLもきていない状況です。

その点が気になっているのですが、少しでも多くの人に見てもらいたいという思いがありながら、ホームページを見ることができる十分な環境が周りの地域には整っていない状況で、具体的に誰に見てほしいという意識で作られていますか?

津金さん誰にという意識は特にしてないですね。もちろん保護者は意識していますが。

一之宮校長学校だけでは教育がなかなかできない状況になってきていると思います。地域の方の協力、指導、助言を得ながら教育していく必要がある。「開かれた学校」が求められる時代の中で、自分たちがやっていることを、できるだけ保護者をはじめ、地域の方、教育関係者、他の学校の先生たち、全国の方々にもホームページを通して情報発信する必要性を感じています。いろんなところから、感想とか、「うちではこういう風にしてますよ」とか反応が返ってくることによって、学校の実践をレベルアップしていくことを期待しています。

今回、県代表、ベスト8、準優勝を受賞されたことによって何か変わったことってありますか?

一之宮校長町の広報で大々的に取り上げていただいたり、新聞に掲載されたり、多方面から注目されるようになりました。地域の方々や一般の方が、小学校の行っていることの中身をどのくらい知っているかというと、ある意味では非常に少ないのではないかという気がしています。今回の受賞でより多くの方に見ていただき、少しでも小学校への理解が進んでくれればと思います。

技術的な課題はどのようにクリアされましたか?

津金さん当初、技術的なことは全くわかりませんでした。htmlって何ですかって感じでした。立ち上げるときにパソコンの環境が充実していたこと、あとは当時「全面的にバックアップするよ」と言ってくださった須玉町の担当の方がいたんです。当初はその方に指導・支援いただき、見様見真似でやってきました。試行錯誤する中でようやく少しずつできるようになってきました。今回受賞して真っ先にその方に報告しました。技術がない、私のようなレベルの人でも出来る、自分のやる気さえあれば、乗り越えられないことはないと思います。今はホームページを作るのがとても楽しいですね。

熱意をカタチにしたいなという思いがあって、それをうまく後押ししてくれる人がいるってものすごく、貴重だなと思います。楽しく思えることが原動力となっているのですね。何かホームページにまつわるエピソードはありますか?

一之宮校長ある児童のおじいちゃん、おばあちゃんが大阪にいるのですが、両親よりもその子のこと良く知っているんです。今何しているとか、どういうことで喜んだとか。保護者よりもおじいちゃん、おばあちゃんの方が良くホームページを見ていて、メールをいただいたりしています。大変喜んでもらっています。

単身赴任されているお父さんが、赴任先で子どもの様子をみているという話もありますね。子供たちの写真の掲載の是非について、どのようにお考えですか?

一之宮校長顔が認識できない遠くからの写真や、後ろからの写真だったら掲載している意味はないと思います。当校の場合はたまたま家庭数も少ないし、写真を載せる場合でも、保護者に載せたいけど良いですかって電話すると、そんなこといちいち聞かないでいいですよ、どんどん載せてくださいって言ってくれます。

保護者・地域と小学校の信頼関係がベースにあるのでしょうか。

一之宮校長そうですね。家庭数が少ないため、どの保護者も学校の役員などに携わっていただいていますので、保護者の方とは密接に繋がっていると思いますし、どこのお宅でも子どもの様子がよくわかって嬉しいという意見を頂いています。

一人一人が繋がれるんだというコミュニケーションの手段を私達は手にいれたんじゃないかという風に思ったら、楽しいですね。今後どのようなホームページ作りをしたいと考えられていますか?

津金さん今のままのスタイルでやって行きたいと思います。学校のありのままを出していますので。

一之宮校長国語や算数の授業とか、かなり先生たちも工夫して授業をしたり、良い教材を自分で用意しているので、そういう工夫しているところを外部に発信できればと思っています。

子どもたちの作品や写真は、子どもたちの資産になるのでしょうけど、学校、教育現場で先生が一生懸命つくった教材も資産であり、良いものであれば当然受け継いだり、広めたりすべきものですよね。そういう意味で、ホームページをそういう観点で活用するのも良いかもしれないですね。
では最後にJ-KIDS大賞について一言。

一之宮校長この小さな山の中の学校が、こうした大きな賞をいただくとすごい励みになります。やればできるという雰囲気をつくりだすのに、いま役立っているのかと思います。少なからず児童たちも先生も頑張っているし、地域の人たちと一丸となっていますし、地域の活性化にもつながっていくのではないかと思います。山深い小さい学校で、下手すると小さくなってしまって元気がなくなるような状況を、大きな賞というものが払拭してくれたと思います。明るいニュースとして本当に良かったなと思っています。

今日お話をお聞きして、なぜこんなに増富小学校のホームページが楽しいのかわかりました。きっと「ありのまま」の増富小学校をストレートに表現されているということだと思います。
どうもありがとうございました。
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