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J-KIDS大賞2004とは?
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J-KIDS大賞2004 選考経過と結果
J-KIDSひろば
豊福晋平実行委員コラム
第9回 キーワードひとつでつながる時代
全国各地の小学校ホームページで、この季節の風物詩としてよく見かけるのが、「ホタル」にまつわるコンテンツです。毎年の恒例行事として、ホタルの飼育を行う学校。毎日、観察日記をつけている学校。子供たちが地域活動団体と連携して調査観察に取り組む学校。環境問題へと視野を広げ、自然保護やリサイクル活動に励む学校など、その多様さには驚かされるばかりです。
このようにホタルの話題ひとつをとっても、学校や先生によって取り上げ方も導かれる結論にも個性が表われることが分かったのは、ごく最近です。精度が格段に上がった全文検索型サーチエンジンを用いると、大学研究機関、マスコミ、図書館、学校といった組織の枠を簡単に乗り越え、一瞬にして関連するトピックを探し出すことができます。当たり前過ぎて、世間はまったく大騒ぎしていませんが、実はこれは驚くべきことなのです。これまで、多くの人の目に触れるための情報とは、手段に限りがあったり、万人受けすることが条件だったり、掲載されるためになにがしかの権威付けが必要だったりしました。しかし、ホームページ上にリンクをすれば、子供達の観察記録、それぞれの先生が工夫して作った授業案、手作りの教材など、これまで学校外の人々の目に直接触れる機会がなかったニッチなコンテンツも、気軽に残せてキーワードひとつでつながる、そんな時代になったのです。
たとえば、ホタルの話題でたまたま見かけた学校ホームページをきっかけに学校間交流が始まったり、アマチュアで生態調査や記録を行っている人とコンタクトをとり、学校で教えてもらうこともあるかもしれません。リンクの世界から組み上げられた学習活動等が、ふたたびホームページに記録、蓄積されることで、外部とのリンクも多層的になり、やがて個々のページが、単なる学校組織のホームページとは違った意義を持つようになります。事実、トップページよりも、階層下の特定内容を扱ったページの方が有名になるケースは、インターネットではよくある話です。複数の学校が協働で観察や調査を行う場合など、その傾向が強くなるように見えます。
学校ホームページは、単に組織の活動報告を美しく整えて見せるためのものではありません。多少雑多に見えても、頑張っておられる先生がたや子供達ひとりひとりの軌跡がどこかの誰かとつながるよう、多くの人々に制作参画してもらい、内容を蓄積していくことも、また大切なことだと思うのです。
主催: J-KIDS大賞実行委員会