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『J-KIDS2007小学校ホームページサミット』リポート
講演1:『子どもたちの活躍を地域に伝えるホームページ
 南澤 力男 氏
 愛知県一宮市立瀬部小学校 校長(第四回「経済産業大臣賞」受賞校)
 
昨年、経済産業大臣賞を頂いて取材を受けた際に、翌年のサミットで講演してくれないかと打診されました(受賞校インタビューはこちら)。通常、校長は学校で待機しているのが常なので、こうした場に来ることなどないのですが、関係者の皆さんや、瀬部小でホームページを担当している辻先生にも説得され、その熱意にほだされて(笑)、愛知県よりやって参りました。講演として立派なタイトルが付けられていますが、気楽にお聞きいただければと思います。

 
瀬部小学校は、愛知県の西北部の中核都市、一宮市にある小学校です。今年、創立100周年を迎えました。現在、100年を記念した関連イベントなども行っていますが、はたして子どもたちは本当に「100年」ということを意識しているのでしょうか。私たちの自己満足にすぎないのではないかと思い、子どもたちに「100」を理解するきっかけとして、「100に挑戦しよう」というチャレンジを、推奨しています。肩たたき100回でも、お祖母さんに親切にする券を100枚発行するのでも、何でもいいのです。皆、楽しみながら取り組み、上級生は最初の100回は達成してしまい、次の100回に挑戦し始めているようです。何でもいいけれどやってみて、その実感を通じて子どもたちに100という数字の重さ、100年の意義を体得させようと考えたのです。

瀬部小のホームページは常に更新されていますが、それは、一宮市の教育委員会の方針でもあるからです。学校教育は、保護者や地域に理解してもらうことが大切であり、そのためにホームページを活用していこうというのです。インターネットや携帯電話などは、ともすると負の面ばかり取りざたされますが、即時性や双方向性など、良い面もたくさん有しているからです。

 
学校教育は、個を大切にするとともに、個と個が協力しなければ、成り立ちません。その上で、相互の啓発による協同学習の場として機能させていくことが大切です。ですから私たちは、保護者や地域の方々にも、学校の理念を理解し、その実践に共感していただきたいと考えます。こうした見地から、ホームページは、単に情報発信する場としてではなく、本校の教育に共感してもらい、互いに啓発しあうきっかけしたいという願いを込め、作成しています。

もちろん、その運営には細心の注意が不可欠です。事前の掲載許可をはじめ、情報被害から子どもたちを守るための対応はもとより、運営により先生方に過重の負担がかからないよう、さまざまな工夫も必要です。瀬部小では、パソコン委員会の子どもたちがホームページづくりに参加し、楽しみながら更新を続けています。しかし全体的に見ると、できるところから継ぎ足していった構成で、建物でいうならば増築を繰り返しているようなものですから、今後はリフォームも必要となるでしょう。でも大切なのは、誰でもできることを、無理をしない範囲で続けていくことではないかと思います。

 
すでにホームページは、学校教育を理解するツールとして、無視できない位置を占めていると言えるかもしれません。けれどもホームページを開設すれば、こと足りるわけではありません。これはあくまで教育支援の補助であり、本筋ではないからです。保護者との信頼を構築していくには、子どもの手を通じて配る便りや、直接会って交わす情報発信も、より一層、求められるからです。そうしたきめの細かい交流の中で、苦情やクレームがあれば拾い上げ、ホームページに掲載していくのです。

情報発信に取り組み、交流を深めていく中で実感するのは、教育においてさまざまな課題はありますが、変わらなければならないのは、親であり子である以前に、まず教師であるということです。そして実際に、多くの教師は自主的に学び、継続的に改善していく努力を、誠実に積み重ねようとしています。ホームページは、そんな職員の姿を伝える場にもなりうるのです。また、その努力を知り、互いに啓発し合うことができれば、保護者も教諭も、本校の学校教育に自信と誇りを深めていくこともできるのではないでしょうか。そこに、私のホームページへの期待があるのです。

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