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『J-KIDS2007小学校ホームページサミット』リポート
講演4:『使う人の視点に立ったWEBサイト構築の方法
            〜企業や自治体WEBサイトの取り組みを例に〜

 北川央樹 氏
 株式会社日立製作所 デザイン本部
 
学校の先生の前で話をするというのは、子ども時を思い出すようで、緊張するものですね。普段、企業のデザイナーとして、WEBサイトのコンサルティングやデザインを担当しています。最初に、WEBデザイナーがこのところ一番注力していることからお話ししましょう。それは、「人間中心設計」です。物づくりなどと同様にWEBサイトにおいても、人が主役、使う人の視点に立っていこう。その人にとって楽しく、満足でき、役に立つといった「体験」を提供しようとする考え方です。

 
さて、では具体的にどうするのか。重要なキーワードとなるのが「ユーザビリティ」です。これは、ユーザーが使いやすくなるように配慮することであり、有効で、効率的で、主体的な満足を与えられることを意味します。そのために私たちは、ユーザーにヒアリングし、その結果を解析してホームページをつくりかえています。学校でも、子どもたちに見た意見をどんどん言ってもらうようにすると、内容の向上にもつながるのではないでしょうか。さらに「ペルソナ」と呼ぶ架空のユーザーを設定し、その人の行動を追ったシナリオを描いて、そこからどういうホームページが期待されているのかを考え出しています。学校のケースで言うと、例えば、児童と一緒にホームページをつくる。その際、児童の体験を予測していけば、そこから学びにつながる要素が見えてくると思います。ホームページの活用方法も、広がっていくのではないでしょうか。

 
もうひとつ、WEBのデザインで語られる言葉に「アクセシビリティ」があります。障害者や高齢者でもアクセスできるように設計していくことを意味します。日立のデザイン本部のサイトでこのガイドラインを公開していますので、興味がある方はどうぞ参考にしてみてください。代表的なものに、音声読み上げソフトがあります。これを活用するには、画像に<alt>の記述が必要になります。ただし必須ではなく、全体の文脈を考えて、必要なところだけ入れていくのが良いと思います。またブラウザの文字サイズは、大中小と変えられるようにすることも大切です。

 
さて、「Web2.0」の時代と言われます。GPSと連動させたコンテンツや、放送と通信の融合など、インターネットはより多面的になり、生活にもっと入り込んでくることでしょう。2〜3年後には、コンピュータ画面でなく、テレビ画面でインターネットにアクセスするのが日常的になると我々は予測しています。そうなると、学校と家族の距離はもっと短くなり、今にもましてWEBサイトの役割が重要になってくると思います。

 
最後に、これからの小学校ホームページの可能性についてですが、自治体のホームページと小学校のホームページが連動することを期待したいと思います。自治体のサイトを手がけた経験から、両者が連動し融合することで、できることが増えると確信しているからです。自治体のサイトには、さまざまな技術が導入されており、それを活用することで、登下校の様子をトレースするなど、子どもの安全や安心を向上させるためのコンテンツをつくることもできます。地域に対しても、より有益な情報を与えられるようになることでしょう。

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