ホームページに戻る
J-KIDS大賞開催概要
選考方法と日程
J-KIDS大賞に参加するには
選考経過と結果
J-KIDSひろば

これまでのJ-KIDS大賞
メール登録

『J-KIDS2007小学校ホームページサミット』リポート
分科会A:『学校経営との観点や周囲の変化などについて
1)「HPと学校経営」
 
社会からの信頼を得るには、一生懸命やっている姿を広報していくしかありません。中学校ならば、部活を頑張ることで理解を得るかも知れませんが、小学校では難しい。だからホームページが有用なのです。また企業のように広報部がない学校でこれを担える人材といえば校長しかいないと考え、校長自らホームページを運営し始めました。私がやれば自己責任でアップできますから、承認に時間をとられることもなく、即時性を生かすこともできます。使用しているソフトはマクロメディアフラッシュペーパー。林間学校の様子をアップしたとき、子どもの体調を心配する保護者から、元気な顔を見られてうれしいという感想をもらいました。いい授業があればそれも載せます。掲載用にわざわざやりなおしたりはしません。要するに、校長先生の学校便り。無理はしないことがモットーです。毎日更新し続けることで学校の透明度は高まり、いつの間にか周囲の対応も好意的になってきたように感じます。今では、保護者の8割が閲覧しているようです。

2)「Webサイトで地域(保護者)は変わる?」
 
現代は共働きの家庭が増えていますし、子どもも塾通いなどに忙しい。母親ですら子どもと接する時間はせいぜい3時間程度になっており、実際の子どものありようを目にする機会は減っています。”子どもの実際”を一番見ているのは、実は教師なのです。学校で行う「能」などの発表会では、本番しか見ることはないけれど、本番に至る何ヶ月もの練習こそ、かけがいのない時間。でも親は、目にすることはできません。子どもたちは真夏でもグチ一ついわず、流れる汗もぬぐわずに練習に励んでいるのです。そんな努力する姿を知らないまま、家庭では顔を見れば「勉強」「勉強」と小言が口をついてしまう。だから本当の姿を伝えたいという思いで、表情を捉えた写真を掲載しています。悪用を懸念し会員制にせよとの意見も当初はありましたが、継続して続けるうちに、不安を言う声はいつしか消えていきました。


3)「赴任校でぶつかった壁」
 
ホームページに関しては、異動前の小学校でさまざまな経験を得ることができました。そのチャレンジは、私の財産となっています。赴任に当たり、後任の先生には過重なプレッシャーがかからないよう、合理的に更新できるように整え、引き継いできました。現在の学校では、ホームページへの関心や理解はまだ成熟していないので、まさに一からのスタートです。とても好意的に応援してくれる保護者の方もいますが、正直なことを申せば、予想もしていなかったクレームに疲れて、進むべきか方向を変えるべきか、壁に当たっているところです。苦しい時ではありますが、ともかく、出せる情報をどんどん公開していくことで、自然に進むべき道が見えてくるのではないか、と考えています。


4)「職員、子どもたち、保護者の声が行き交う学校サイトを目指して」
 
ホームページを作ったことがないのに担当になり、当初は困惑していました。ある時校長から、小学校にはなぜホームページが必要なのかをこんこんと説かれ、それを聞いて本気で取り組んでみようと決意しました。頻繁に更新し、携帯でも閲覧できるようにしましたし、便りでホームページの内容を告知するなど、啓発活動も行いました。これによりアクセス数は増えていきました。ところがふとした折に、あれは熱心な先生が好きでやっているのだ、という声を保護者が言っているのを耳にした。それで気づいたのです。一個人が発信しているだけでは、一部からしかフィードバックは得られない、と。そこで、情報委委員会だけでなく、13ある委員会の全てでブログの書き込みができるようにし、多くの人が参加できるよう間口を広げていきました。職員の声も載せています。同時に、子どもたちが頑張る姿を、写真や文章で伝えていきました。写真には可能な限り説明を加え、見えない部分も表現しています。2年ほど継続した結果、次第に、保護者の視点は自分の子どもだけでなく、友達や学校全体へと注がれるように変化していきました。


5)「ホームページのネタ探し」
 
学校には、掲載するに値するさまざまなネタであふれています。学内研修もヒントになります。そこから食育をテーマに取り組んだこともありました。食育、給食、献立表と視点を広げて連動させながら見せることができますし、この時は番外編として「おせち料理」の記事までつくりました。読み聞かせ本の記録や、子どもが遊んでいる風景、あるいは親子行事ではお母さんたちに写真を撮ってくださいと依頼し、掲載したこともあります。研究授業、研究紀要、展示物、学校通信、職員室のおしゃべりも記事になるのです。まだ家庭で見ている数は全体の4〜5割だと思いますので、見られない子どものために、廊下に貼るなどして告知するようにしています。ホームページづくりを通じて感じたのは、先生は一生懸命に教育に取り組み、子どもと向き合っているということ。課題は次の人にどうやってバトンタッチしていくか、ということです。


リポート目次へもどる
主催:J-KIDS大賞実行委員会 Copyright(c)2003-2007 J-KIDS | お問い合わせ・リンク |