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『J-KIDS2006小学校ホームページサミット』リポート


講演1『学校からの情報発信としてのホームページ
山口睦子
神奈川県相模原市立橋本小学校校長 ( J-KIDS大賞2005: ベスト8受賞校)

 
橋本小学校のホームページは、開設から3年半が経過し、すでに18万を超えるアクセスを頂いています。もっと保護者の方に学校を知ってもらいたい、日常的な子供の姿を伝えたい、それが家庭での会話のきっかけになればいいと願い、スタートしました。現在では、学校教育を支える重要な柱として教育組織に位置づけ、体制を整えて、全職員がホームページ制作に携わり、毎日更新し発信しています。

 
ホームページの運営にはさまざまな課題もありますが、私たちは3つの目的を持って、更新に力を注いできました。1つは、説明責任を果たすことです。特色ある学校づくりの姿を広く一般社会に提供することによって、学校内の透明性を促し、信頼を強くしたいと考えました。2点目は、ホームページを作成し発信することで、学び、広げ、関わっていくこと。情報化社会でたくましく生きる力を育みながら、積極的に保護者や社会と関わっていく。例えば地域での学習をホームページで支援することなどもできるでしょう。3点目は、教育活動そのものをより活発にしていくことです。校外との意見交流や外部評価の導入など、ホームページを通じて行っていくことも視野に入れています。

こうした目的を持ってホームページを充実させていくには、担当する人材を確保しなければなりません。技術研修も行った方がいいでしょう。一方で担当者に負担が集中しないよう、サポート体制を整えることも必要です。


 
私たちは手始めに、まず使いやすいホームページの「ひな型」を用意し、折に触れて教職員にホームページの利点を訴えながら、参加意識を高めていきました。学年によって更新の差が出ないよう、掲載計画も立てています。最近では、校外との交流を活発化させるために、感想や意見を寄せていただくボランティアを募集しました。多くの率直なメールが寄せられ、その声に多いに励まされ勇気づけられ、運営もより熱心に行われるようになっています。

教育の現場にいますと、感動することにたくさん出合います。地域の方や自然とのふれあいなどもそうでしょう。忘れてならないのは、保護者は子供の日常を知りたがっているということ。授業の様子や、何を学んでいるのか、安全対策は万全なのかなど、情報開示として求められていることは無数にあるのです。

 
掲載しているのは、図工の作品や、メディア委員会の子供たちが自ら取材した昼食のメニュー、遠足の様子など。日常性と即時性を重視しながら運営しています。ただし個人情報保護の観点から、個人情報と写真の取り扱いには十分な注意が必要です。掲載時は個人が特定できないように複数名で載せたり、事前に保護者に掲載許可をとるなど、工夫と注意が不可欠です。

さまざまな課題はありましたが、ホームページは橋本小学校に大きな効果をもたらしました。垣根が低くなり保護者や地域との信頼関係が深まったこと。さらに教職員は、子供を見る目や心を掴むアンテナが鋭敏になってきました。情報開示は狙い通り、学校の透明度を高め、教育活動そのものへの人々の理解と関心を高めました。学校に活力をもたらしたと言えるでしょう。
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