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全体討論会『技術面に関する課題と工夫について』
「前任校の飯田北小学校は幸運なことに、UNIXサーバーも専用回線も、地域の方からの寄付でまかなうことができました。今から7年前には環境が整いましたので、手始めに、学校プロジェクトの対象校にどんどんメールし、交流学習を試みました。最初は40通送付しても返ったのはわずか4通。先方の環境に応じタイムラグが生じるなど、課題もありました。3年目には「子どもの広場」に参加、そこで交流した遠方の小学校とタマネギの生長を観察するというプロジェクトを、その翌年はまた別の小学校と米づくりをといった具合に、毎年交流学習を続けています。大切なのは交流目的や期間、環境などを互いに確認しながら、子どもたちの交流したい気持ちを尊重していくこと。またネットワークを広げておくことも大事です。異動先である現任校の霧が丘小学校では、昨年、武蔵工業大学の先生にNOTAというシステムを紹介していただき、交流掲示板として活用し始めました。子どもたちが使っていますが、便利で書き込みやすいと好評です」 昨年に引き続き今年も、小学校ホームページサミットは、小学校ホームページの可能性と課題の双方がありありと浮かび上がる、リアリティのある議論の場となりました。 小学校には、人々に伝えたい、また伝えるべき情報がたくさんあります。先生たちはホームページづくりを通じて、子どもたち一人ひとりをより真剣な眼差しで見つめるようになり、学校に起きている変化にも敏感になり、子どもたちの可能性を引き出していくことに注力しています。子どもたちは、ホームページというメディアに参加する経験からメディアリテラシーを身につけ、多くのことを学び、人と交流し、社会を経験しています。また日々の出来事を観察したり表現する力も育んでいます。 その一方で課題もあります。活気あるホームページを目指し毎日更新していくには、人的負担がかかること、周囲の理解をうまく得られない場合に担当者がホームページ運営の上での問題を解決しづらいことなどです。 また、個人情報保護の観点から、情報公開における配慮も欠かせません。 しかし、これらの課題を解決していく手だてもまた、ホームページにあります。日々更新を続けていく意義は、たとえそれを明記した文言がなくても、活き活きと充実しているホームページから十二分に伝わってくるもの。そのホームページを核にして学内外への交流を広げていけば、技術的なノウハウやホームページ作成におけるヒント、さらに人材の活用や配置の課題まで、そのネットワークを通じて解決の糸口も見えてくることでしょう。 インターネットは、学校を社会にむけて開いていく扉の1つであり未来へと続く道でもあると考えます。J-KIDS大賞は、小学校ホームページに賛同する社会の輪がどんどん大きくなることを願って始まりました。歩みはゆっくりかもしれませんが、その動きは着実に進んでいるようです。このレポートも、その一助となることを願ってやみません。 J-KIDSサミット報告:石黒 知子
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