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『J-KIDS2006小学校ホームページサミット』リポート


分科会A『学校経営とホームページ、個人情報保護への対応について

 
最初の報告は、創立133年を迎える千葉県印西市木下小学校です。「当校のように歴史ある学校は、地域にとってはまさに”おらが学校”。情報開示は必須です。私たちは、校外学習、地域パトロール、近隣高校と連携した図書活用など、地域に関わる情報をホームページに掲載しています。当初更新は担当者に依存していましたが、興味の高いPTA役員に参加して頂き、基盤をつくりました。現在は高学年を中心に、児童も意欲的に制作しています。保護者には情報開示の意義を伝えるとともに、操作方法も指導し、ホームページそのものへの関心を高めました。更新に関する疑問点などは、校内ですぐに尋ねられる環境となるよう心がけています。内容の充実に伴って全職員の意識は高まり、子供の取材力や編集力も向上したようです」

 
福岡県糸島郡志摩町立桜野小学校では、ホームページは校長の学校だよりというスタンスで運営されています。「学校で活動していると、ウェブ上で保存すべき記録はたくさんあります。ホームページを公開する意義も高いと考え、私自身が校長だよりとして、毎日、更新しています。他の教職員には委ねていません。その理由のひとつは、運営責任は校長が負うべきだと考えているため。もうひとつは日常業務が多い教職員に、さらに過酷な作業を強いることはできないからです。校長が担うのは理想形ではありませんが、ことホームページ活用においては立ち後れている感のある福岡県では、これがひな型になると考えています。しかし私の異動があれば、運営が途絶える恐れもあります。今後は、更新ペースを緩やかにして、誰もがもっと親しみやすいホームページになるよう、変えていきたいと思います」

 
奈良県斑鳩町斑鳩小学校では、ホームページを活用して正しい学校理解を促すことを目指しています。「法隆寺が間近にあり伝統を誇る学校ですが、地域は大阪のベッドタウンとして機能しています。保護者の教育に対する関心は高いのですが、ホームページに対しては2極分化しており、2003年より行っている情報公開も、あまり手応えがありませんでした。保護者や社会から学校が本当に信頼されるようになるには、まず学校を正しく理解していただく必要があります。それには学校の本当の姿、ありのままを見てもらうことが不可欠です。そこで、ホームページにはわかりやすい表現を用い、子供の生の表情が伝わる写真なども掲載するようにしました。新鮮な情報を安定して定時に発信することも重要です。子供の写真掲載には反対意見も寄せられましたが、保護者から承諾を得ながら、風穴をあける意識で取り組んでいます」

 
三重県津市立西が丘小学校では、子どもたちが主体的にウェブ発信できるようにソフトやひな型を作成しています。「ホームページづくりには、大変な手間と時間を要するものです。そこで私たちは、児童も制作に参加できるように、ウェブ情報発信支援システムを作りました。まず入力の定型フォームを整え、ホームページ作成のためのマニュアルを構築しました。また肖像権や著作権、個人情報など、情報モラルに関する指針は明文化し、児童がモラルに反していないか自らチェックできるものを用意しました。さらに応用的な活用もできるように、制作者の活用情報を公開して支援しています。総合の授業時間などを利用しながら、子どもたちはホームページづくりを進めています」

最後は、群馬県高崎市立上郊小学校から、現在最も関心を集めている肖像権と個人情報保護についての討論です。「当校は一昨年、J-KIDS大賞のデジタルイメージ賞を頂きました。子どもたちの表情が見えることを一番の特徴としていますが、最近は個人情報やプライバシー保護の観点から、写真の掲載には注意が求められています。私たちが取材において基本としているのは、隠し撮りをしないこと。そして保護者に掲載について承諾書を渡し、了承を得ることです。保護者との連携は何より重要で、もしクレームがあったら学校側は最大限の努力をし、誠意をみせるべきでしょう。しかし一度、意思が疎通し理解を得られれば、その後はトラブルが発生しても対処できるようになっていく。信頼関係が基本です」
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